AphasiaBankJapan:失語症データバンク
AphasiaBankJapan
失語症データバンク
失語症の研究と教育のためのデータベース
当サイトはAphasiaBankの紹介と日本での普及を目標としており,名称をAphasiaBank日本としています。AphasiaBankプロジェクトの解説,英語版AphasiaBankホームページの説明やそこに掲載されているデータの読方,日本語での課題の説明・翻訳,データの作り方や分析方法,その他の説明、参加者募集等を掲載しています。
AphasiaBankは,失語症のある人の会話に関する国際的なデータベース (発話コーパス) です。2011年にMacWhinneyらによって公開されました。このデータベースには,失語症のある人 (およびその対照群) の会話場面の動画データが研究と教育のために格納されています。動画データの他に,会話のトランスクリプト (書き起こされた対話や文法の注釈など),研究協力者の人口統計学的な情報,失語症のタイプや重症度,言語・認知機能検査の結果なども登録されています。
プロジェクトは日々更新されており,現在では,英語のみならずスペイン語,北京語などさまざまな言語の失語症者や対照群のデータが登録されています(2022年現在12言語)。いずれの言語データでも,一定の手続き(プロトコル)に従ってデータが収録されています。各言語の動画データ,プロトコル(収録の手続き)や図版などはAphasiaBankのサイトから入手することが可能です。失語症の研究者や臨床家は,AphasiaBankに登録し,使用ルールを遵守したうえで失語症者の動画・発話データにアクセスし,研究や教育に使用することができます。詳しくは以下のページを参照してください。
AphasiaBankのホームページへのリンク: http://aphasia.talkbank.org
・詳しい説明は、AphasiaBank HPのトップページにあるリンク「Ground Rules」を参照してください。倫理規定や重要事項に関する説明が含まれています。
・AphasiaBankに登録するには、はじめにBrian MacWhinney 先生 (macw@cmu.edu) に、ご自身の氏名や連絡先、経歴や業績、データの使用用途などを(英語で)メールを出します(詳しくはGround Rulesの中のBasic Rules参照)。登録が完了するとデータベースへのパスワードを教えてもらえます。教育及び研究の目的であれば、データの利用は無償です。
*TalkBank(AphasiaBank以外のBankも含む)におけるルール
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コーパスを使用する場合、参考文献にコーパスのDOIを引用する。DOIは,AphasiaBankのトップページ→Protocol Database→引用したい言語のコーパスをクリックすると記載されています。
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AphasiaBankを論文や書籍、抄録等で参照する場合、以下のMacWhinny et al. (2011)の論文を引用する。
Brian MacWhinney, Davida Fromm, Margaret Forbes & Audrey Holland (2011) AphasiaBank: Methods for studying discourse, Aphasiology, 25:11, 1286-1307,
DOI: 10.1080/02687038.2011.589893 -
データの利用前に、ホームページに記載のTalkBankの倫理規定を読む。
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パスワード保護されているデータの使用については(TalkBankの中では、臨床データのバンクであるAphasiaBank、DementiaBank、RHDBank、TBIBank),アクセスできるのはデータバンクに登録をした当人のみ。学生は指導教官に登録してもらい、データにアクセスをすること(指導者が利用に関する責任を負う)。パスワード保護されているデータはSNSや他のウェブサイトに投稿してはいけない。
TalkBankは、様々な集団や状況で収録された発話のデータベースを管理しているサイトである。例えば、CHILDES(言語発達)やASDBank(自閉症のある人)、DementiaBank(認知症のある人)、第二言語習得などの会話データが収録されており、日々更新されている。失語症者の談話データベースであるAphasiaBankもTalkBankの一つである。データの数や課題手続き、音声やビデオの利用可能なリソースの種類などはそれぞれのデータバンクで異なる。例えば,AphasiaBank (失語症バンク)、DementiaBank (認知症バンク) 、RHDBank (右半球損傷バンク) 、TBIBank (頭部外傷バンク) ) に収録されているデータ閲覧には、メンバー登録が必要となる(登録すれば、どのBankも閲覧可) 。以下は,TalkBankのホームページのURLとそこに収録されている発話コーパスのリストである。
TalkBankのHP https://www.talkbank.org/
TalkBank上にある発話コーパス (2022.4.21閲覧)
Conversation Banks
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CABank 成人同士の会話データ
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SamtaleBank オリジナルはデンマーク語による語り・対話・電話など
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ClassBank 教室での多様な活動の様子(下は小3から、支援学校もあり)
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Child Language Banks
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CHILDES 言語発達データ(日本語データ多数あり)
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PhonBank 小児の音韻に関するバンク
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HomeBank 幼児の日常生活を長時間追ったバンク
Multilingualism Banks
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Second Language Tutors 第二言語習得の教育に関するバンク
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BilingBank 多言語使用者バンク
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SLABank 第二言語の習得に関するバンク
Clinical Banks
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DementiaBank 認知症バンク
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RHDBank 右半球損傷バンク
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TBIBank 頭部外傷バンク
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AphasiaBank 失語症バンク
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ASDBank 自閉症バンク
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FluencyBank 流暢性の発達に関するバンク (幼児や成人の吃音、クラタリングなどを含む)